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電子ボリューム・コントローラの製作

コントローラ全景

電子ボリュームICのコントローラとして、CPU基板を製作しました。

現在使用中の真空管アンプのボリュームを置き換えようと思っています。ただし他の用途でもCPU基板を使いたいので、結果38mm角の正方形に48pinCPUを収めて、単連ボリューム基板と2階建てにしました。更に3mm厚の真鍮板でパネルに取り付けるようにし、CPU基板と真鍮板をあわせた高さは33mmになりました。ボリューム基板と真鍮板との間隔は-5mm程度可能です。ちなみに、ALPS(現在ALPS ALPINE)のデテント型ボリュームは約28mm角でした。

コントロールボリュームは、単連のアナログボリューム(Bカーブ)です。写真では、ALPS ALPINEのRK09L1140A2Uを使用しています。CPUの出力は、MUSES72320(JRC製)をコントロールするシリアル信号です。2E24ハイブリッドアンプのボリュームの置き換え、後にヘッドフォンアンプの製作を考えています。
大抵のアンプ、特に真空管アンプは背面パネルのピンジャックから信号を入力し、前面パネルのボリュームまで信号線を引き回します。この間を短くしたいと思っています。CPU基板と電子ボリューム基板を分離すればデジタル制御線の引き回しになります。

せっかくだからコントローラのCPUは独立してCPU基板としても使えるようにしました。CPUは経験のあるRL78/G13からR5F100GEAFB(48pin,Renesas)を採用しました。GR-KURUMIのR5F100GJAFBよりもフラッシュROMは小さいのですが、これくらいの用途には十分でしょう。

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機構

真鍮板正面

パネルへの取り付け方法は悩みどころです。これが決まらないと基板の設計もできません。ボリュームの取付けネジをそのまま利用する方法がありますが、これだと基板はボリュームの足と端子で固定することになります。室内で使う物なので振動はありませんが、薄板での固定なので心もとない感じです。また、基板の四隅のネジをそのまま利用する方法もありますが、これだとパネルにネジの頭が見えてしまいます。そこでなるべく小さな径で120度の三角形で固定することにしました。円の直径16mmになりましたので、外形22mm以上のつまみであればネジ頭は外形以下に収まることになります。加えてM3用にΦ3.2も3個空けています。2E24ハイブリッドシングルアンプはタカチのCH7コントロールBOXを使用しています。これのサイドパネルがt3.0なので、こっちにタップを切れば更に取付けネジは目立たなくなると思います。ただし基板は後付になります。
(参照:別府俊幸氏 自作のページ:こちらのHPの真鍮板取り付けを参考にしました。)

真鍮板とスタッドの結合はM3のスリムヘッド(低頭型)を使用しました。頭の厚み0.8mmなので、CNCで1mmザグリ加工しています。材質は快削真鍮(C3604)です。ボリューム基板と真鍮板との間隔は、16mmのスタッドを使っています。使用するボリュームとパネル厚の関係によって、長さの調節が必要と思われます。

CPU基板

CPU基板

CPU基板側からの写真です。ボリューム基板から14pinヘッダコネクタ経由でDC5Vを受け、CPU用に3.3Vをシリーズレギュレータで作成しています。MUSES72320へのコントロール信号は、CPUから直接なので3.3Vレベルになります。MUSES72320のドキュメントでは"デジタル部供給電圧範囲"が3.0~5.0~6.0Vになっていますので範囲内です。

写真の基板にはGNDにジャンパーピンが付いているのは、テスト中だからです。また三色LED(LED2)も評価用なので、電子ボリュームコントローラとして販売する時は付けない予定です。更に、CN5,CN6として8pinシングルヘッダーコネクタがありますが、これはCN5単体の5pinヘッダーにする予定です。CN5はMUSES72320との通信用です。
LED1はパワーランプです。動作確認用として点滅させているだけです。

ボリューム基板

ボリューム基板

ややこしいのですが、ここで言うボリューム基板は、角度を入力する為のポテンショメータの基板です。単連のアナログボリュームと、ロータリーエンコーダ兼用基板を作成しました。まずはアナログボリュームでプログラムを組みました。ボリュームはALPS ALPINEのRK09L1140A2Uです。B特性です。ちなみにロータリーエンコーダは、同じくALPSのEC12E2420801を想定しています。また、フルカラーLED付きロータリーエンコーダ(EC12PLRGBSDVBF 秋月電子通商)に差し替えできるようにもパターンを工夫しました。ただし現段階では、ロータリーエンコーダの読み取りはプログラムしていません。ロータリーエンコーダを使用するには、現在の値がいくらなのかを表示する、何らかの仕掛けが必要になると思います。つまみの周りにLEDを時計のように配置するとか、液晶にdB値を表示するとか必要になると思います。どういうI/Fにするか、おいおいに考えていこうと思っています。

CPU基板と同じ大きさにボリューム基板を設計していますので、空きエリアに整流ブリッジ、三端子レギュレータを載せています。真空管アンプの電源トランスに、6.3Vのヒータ巻線が余っていればこれを直接接続できます。絶縁されたAC電圧を想定しています。絶縁されていればDC電圧でも構いません。ブリッジ整流器で入力を受けています。写真では電解コンデンサにPanasonicのOSコンを使用しています。単なるシリーズレギュレータには普通のアルミ電解の方が良いのかも知れませんが、とりあえずはチップアルミ電解としてパターンを引きました。後から考えればここは、リードタイプのパターンにしておけば良かったと反省です。
絶縁電源を入力すると、ボリュームコントローラのGNDはシステムからは絶縁状態です。そのためCPUのコントロール信号GNDは、MUSES72320のデジタルGNDを経由してアナログGNDと、一点アースにして帰還経路を作成します。

電子ボリューム本体

MUSES72320基板

写真はMUSES72320の電子ボリューム基板です。これもOSコンを使用していますが、この隣の3P端子から±15Vを入力し、MUSES72320へ電圧供給し、反対側の3P端子へ左右別れてOPアンプ基板へ電圧供給します。MUSES72320内部は、アッテネータのラダー抵抗とOPアンプのゲイン調整用のラダー抵抗の2段構成です。しかし、この基板では前段部分の抵抗のみ使用しています。最初は2E24のハイブリッドアンプでテスト予定なので、アッテネータ部分のみで十分です。

テスト

コントローラ基板と電子ボリューム本体が揃ったので、早速2E24真空管アンプに組込んでみました。
組み込むと言っても、とりあえず2E24シングルアンプのアナログボリュームを、この電子ボリュームに差し替えただけです。しかも真空管アンプは腹出しでひっくり返したままでの試聴です。プログラムも未完成です。特にボリュームカーブは暫定Aカーブなので、これで良いのかどうか不明です。

音が出ない、と落胆が最初でしたが、聞こえ始めが時計で言って2時頃の位置からでした。そしていきなり大きくなります。カーブ設定に問題ありなのは明らかです。MUSES72320は-111.5dBから0dBまで0.5stepなのでそんなもんでしょう。EXCELでAカーブを作っていたのですが、作り直しです。そこでラジコン送信機のようにS字カーブを作ってみたところ、12時位から聞こえ始めになりました。しかしまだ立ち上がり位置に不満があります。調整を進めなければならないようですが、ここで一旦中断。真空管アンプをひっくり返したままでのカーブ調整には限界があります。ヘッドホンアンプでデバッグしやすいテスト環境を構築したいと思います。

音の方は以前と変わらないような感じですが、Muteから-111.5dBに遷移したとき(Mute解除)にポップノイズがあります。これの対策もヘッドホンアンプを作成してから考えてみることにします。