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ヘッドホン・アンプ組み立て
ヘッドホン(ヘッドフォン)アンプをタカチのUCケースに組込んでみました。このケースは以前、共立電子産業のデジタルアンプ基板(ハイレゾ対応&高音質 デジタルアンプ基板 KP-AMP-SZ01)を組込んでいたものです。フロントパネルに意味不明の穴が空いているのはその為です。バックパネルや底蓋にも空いています。
一方、秋月電子通商に電子ボリューム製品があります。MUSES72320も含んだものですが、小さくコンパクトに1枚基板にまとめてあります。感心してしまいます。昨年購入しましたが、結局使わずに今回自作してしまいました。
構成説明
前回まで紹介してきたコントローラと電子ボリューム基板が写真手前(ケース右側)にあります。電子ボリューム基板はオペアンプ基板2枚との3階建てです。バックパネルのスピーカ端子は何も接続していません。穴塞ぎです。
写真上側にあるのはアナログ用のトランス及び整流基板です。黒い整流基板は2E24ハイブリッドアンプの基板をカットして使用しています。
スピーカ端子のところに転がっているトランスはコントローラ(デジタル回路)用のトランスです。両面テープでケースに貼り付けてあるだけです。
今まで書いていませんが、この2E24を分割した基板を含めて電子ボリューム基板は若干余分があります。今後どのように処分していくか決めていませんが、必要な方は「問い合わせ」より連絡ください。折返し見積もりお送りします。在庫がある限り頒布は可能です。ただし、この電子ボリューム基板は1枚物に改版していて旧作になります。
サウンド・ブレイク
現在このヘッドホン・アンプは試聴中です。特性は計測していませんが、良い感じです。ここに至るまでに何回も基板を取り外しして調整をしています。その経緯は順次紹介していきますが、その前に音源の紹介をひとつ。
ひととおりデバッグが終了して、一息ついて、e-onkyoから音源を購入しました。
ひとつはMiles Davisの"Kind Of Blue"から冒頭の"So What"を一曲のみ。flac 192kHz/24bit,\540。ステレオ感がはっきりしており接続チェックにも使える、長年愛聴している一曲です。学生時代LPも購入しましたし、CDも何枚か持っています。LPプレーヤはなくなりましたが、LPは保存しています。いつかまたLPを再生したいと思っています。
もうひとつは、First CLass Loungeより"Premium Jazz Lounge Trio"をアルバムで。flac 96kHz/24bit、期間限定(~2019.6.3)で\1,000-です。ピアノ、ギター、ベースの定番で、アンプの動作確認はもちろん、そのままBGMにもなります。このシリーズはタイトルの感じからBGMの軽さかな、と思ったらなかなかどうして良質な音源でした。特に冒頭の"Fly Me Too The Moon"はベースの低音もたっぷりで、音質チェックの定番に加わりました。
私はこれらをAIMPで聞いています。flacも聞けます。e-onkyoの再生環境の紹介欄にもAIMPが載っていました。
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アボカド・ブレイク
アボカド(アボガド)の種子を水耕栽培する時に、爪楊枝で固定すると簡単便利ですが、私はCNCでPOM材を加工して固定治具を作成してみました。今までに写真のとおり4種類作成してみました。ただし、未だにこれと言うベストな固定方法はできていません。種子には大小がありますし、先日は種子がふたつに割れた間に支えの爪が入って、種子がすっぽりと落ちてしまいました。この先の成長次第ではどうなるかわかりません。また、ヒヤシンスなんかにもそのまま使えるようにしたいと考えています。
入れ物は100均で買ったプラカップです。8個入りでした。CNC切削はこのプラカップの縁に引っかかる上側部品と、種子(或いは球根)を支える下側部品の2つです。そして上下をスタッド(六角スペーサ)で結合します。
これら工作の手間を考えれば割に合いませんが、見た目は爪楊枝よりは良いと思います。無駄ですが。
MUSES72320について
MUSES72320は新日本無線株式会社の商品です。アルファベット表記(省略表示)はNJRかJRCなのか、今回一連の記事で悩みました。従来個人的な分類ではJRCを使っていました。また、MUSES72320のデータシートにもJRCのロゴが冒頭にあります。RSでオペアンプを検索すると、NJRでもJRCでもどちらでも同じ検索結果になります。JRCは日本無線株式会社を示すのは間違いありませんし、古くは送信管でJRC製は有名なところです。結局、MUSESのホームページではNJRが全面に出ているのでNJRでしょう。ちなみに会社概要によれば、現在は日清紡ホールディングス株式会社の完全子会社のようです。でもこのページのロゴにはJRCが使ってありましたので、ブランドがJRCで、会社省略名をNJRとすれば良いのでしょうか。
デバッグ
当初2E24真空管アンプで作成したボリュームカーブですが、ボリューム位置と音量にまだ不満がありました。そこで造作したのが左のカーブです。X軸はCPUのADC結果で8bitsに丸めてあります。Y軸は変換値でMUSES72320のdBへの変換は
dB = (Y-1) * 0.5 - 111.5
で計算できます。おおよそ
- X軸35=時計9時=Y軸94=-65.0dB
- X軸125=時計12時=Y軸128=-48.0dB
- X軸215=時計3時=Y軸174=-25.0dB
このカーブはテーブル方式で求めています。直線近似でも問題はないと思いますが、使用CPUのRL78/G13には256バイトは余裕です。ただし入力値から出力値への変換は手作業なので手間がかかりました。
ポップノイズ
写真は電源OFF時のオシロ波形です。黄色がデジタル系の5V電圧、シアンが+12V電圧、マゼンタが出力(ヘッドホン入力)です。CPUは5Vの立ち下がりを検出してmuteをMUSE72320へ出力しているのは確認しました。それより300mS程度遅れてアナログ電圧が下がり始めます。下がり切っていない時に出力波形にインパルスが出ています。多分これが電源OFF時のポップノイズと思われます。オペアンプの電源電圧が下がり切っていないのでパルス音が聞こえてしまうようです。muteと同時にリレーで出力をカットするしかなさそうです。アナログ電源の電解コンデンサの容量を下げて、電源電圧の立ち下がりを早める方法もあるでしょうけど、リプルが取れなくなります。スピーカを鳴らすために出力が真空管であれば、消費電流の大きさにより出力がカットされるので、このようなことはなかったと思われます。
改版電子ボリュームでは、1bのSSR(フォトモスリレー)で出力をショートする回路を採用しました。さて、どうなるのか、電子ボリュームの設計は続いて行きます。