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6L6GCプッシュプルアンプ

思い立って、真空管アンプを作りました。6L6GC_PP全段差動アンプです。出てきた音は真空管らしいマイルドな音でした。だけどちょっとおとなしい感じの音で前に出て来ない。夜中回路設計しながら聞くBGMとしては最高なんだけど、もう少しメリハリが欲しい。オシロで波形を見るか。特性も測らなくちゃ。
とこんな風に真空管アンプの世界に(オーディオの世界に)足を突っ込んでしまいました。もう抜けられないかも知れない。 中学生の頃オーディオは泥沼と言うことを読んだか聞いたかしたけど、解った気がする。

きっかけ

本当のところ、以前から真空管アンプを作りたいなと思っていて時々MJ誌を買ったり、単行本を買っていました。しかしながらまとまった予算は無く、部品は高そうなので時々思い出しては本を眺めているだけでした。だいいち、真空管はもう博物館にしか無いと思っていました(ウソです)。いつ頃からか取引先が真空管アンプを作っていて、背中を押されたような気がします。ある時Webを徘徊していると全段差動PP(プッシュプル)アンプが目に止まりました。前出「情熱の真空管アンプ」(日本実業出版社、著者:木村哲(ぺるけさん))のHPでした。以前はなにげなく見過ごしていたようですが、良く見ると初段から差動増幅になっていますし、LM317も使ってあってなじみがあります。部品集めもまず真空管から、と述べられていて何となく共感するところがあって、以後引きずり込まれてしまいました。

部品集め

最初真空管はネットオークションにて入手しました。6L6GBでしたが後に比較の為もあって6L6GCを通販で購入しました。やはり手元に球があるとやる気が出ます。トランス類をノグチトランスから通販購入しました。一番高価なトランスが入手出来ると小物は日本橋、RSと即そろいます。シャーシもネットオークションで入手しました。真空管アンプの製作でシャーシ加工が一番面倒で、ひとえに環境が適していない事もありますが、四角に穴を開ける事を思うとうんざりします。今回は横着をしてフライス加工をしていただけるところに加工をお願いしました。シャーシ代ほど加工賃がかかりましたが綺麗に加工してもらいました。ただし前後パネルの加工は私の電気ドリル+リーマ加工です。

ほとんどの部品が新品購入です。一部1/4W抵抗は手持ちを使っています。抵抗のWは部品統一からすると最低を1/2Wにすればよさそうですが、計算して見ると1/4Wで十分な部分があります。この1/4W抵抗は5VのDIP品IC時代の遺産で部品箱にまだ在庫があるので使いました。もう出番は無いだろうと思っていました。最近使っている抵抗はほとんどチップ抵抗ですから。ただ耐圧がきつい箇所もありそうなので今後真空管には1/2W以上で部品を揃えた方がよさそうです。

パイロットランプの替わりにジャンクのLEDランプを使いました。唯一のジャンク部品です。パソコンに詳しい人には解ると思うのですが、COBALTキューブの電源ランプです。初段管の前で緑色に光っているアクリルが電源ランプです。

設計

初段は6SL7,終段は6L6GC(EH製)です。初めて作ったにしてはうまく出来ていると自画自賛です。真空管が一列で少し迫力が無かったかも知れません。回路は「情熱の真空管アンプ」著者の木村哲氏(ぺるけさん)のHPを参考にしています。回路図はOrCADで作成し、P板CADで配置配線を検討しました。参考までに回路図をpdfで置いておきます。回路図において抵抗値は乗数表示です。例えばRR474は47x10の4乗、つまり470KΩを表しています。同じようにCC334は0.33uFです。

OrCADの基板CAD(Layout)を使って部品配置、シャーシ加工図を作成しました。これもライブラリーを作成しなければならなかったのですが、一度作ってしまうと後が楽です。部品配置の検討が済むと少し手を加えるだけでシャーシ加工図が出来てしまいます。そして何よりなのが本来の機能の部分で配線引回しの検討が出来ます。引回しが良く無ければ再配置すれば良いですし、ラグ板にどう接続するかも検討出来て便利です。