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KMQ60風6LU8プッシュプルアンプ

6LU8ppアンプの正面

いつか使おうと思っていた6LU8でプッシュプルアンプを組んで見ました。ラックスのKMQ60シャーシに組み込みました。6LU8は50C-A10と同じコンパクトロン管なのでKMQ60に見えなくもないです。

部品

主な部品は次のとおりです。

  • 電源トランス: 橋本トランスのPT-180です。280-250-60-0-250-280V/300mA,6.3V/2.5A x3, 5V/3Aの構成です。KMQ60のシャーシに取付けるにはビス穴を少し外側に削る必要があります。
  • 出力トランス: 橋本トランスのHW-40-5です。40W,5kΩでKMQ60のOY-15-5の代替で使えますが、ビス穴の空け直しが必要です。背が高いのでKMQ60のボンネットは使えなくなります。
  • チョークコイル: LUXの4610をオークションで入手していたのでこれを使いました。箱書きでは安全電流値240mA,2.5H(パラ接続)となっています。KMQ60では4605ですがシャーシ加工は必要ありませんでした。
  • 電源フィルターコンデンサ: SUN AUDIOの47uF+47uF/500Vフィルムコンデンサを使用しました。低音の立ち上がりの良さをねらっています。見た目もトランス類の黒とマッチしています。

構成

6LU8ppアンプの背面

6LU8は電圧部3極管、電力部5極管の複合管になっています。TV球です。このアンプでは三結で使用しています。三結時のEp-Ip特性グラフはMJ誌2005/11月号の"真空管活用ガイド"を参照しました。スクリーングリッド電圧がmax300Vなので動作点を290Vとしています。このときEg=-40V,Ip=40mAとこのグラフから読み取れます。制作後の測定ではEp=290V,Ip=38mA,Eg=-43Vとなりました。使用したのはGE製で記事の物と違いますが大差はないようです。この時のプレート損失は11Wなので最大定格の14Wに対してまだ余裕があります。

6LU8ppアンプの配線の様子

初段は12AU7をパラレルで使っています。ゲインは5倍で軽く増幅しています。オーバオールNFBも少なく気持ちだけで3.4dB程です。この時初段のゲインは3倍になります。反転増幅段は6LU8の3極部になります。負荷抵抗を18KΩと低くしてここもゲインをかせいでいません。ここだけで約16倍です。後でNFBを多くかけて周波数特性を良くするのでは無く、ゲインを下げて帯域を広げて周波数特性を良くしようと考えています。

6LU8ppアンプの配線のf特

出力段は6LU8の五極部を三結にして使っています。固定バイアスになります。グリッドに直列抵抗は入れていません。この抵抗は寄生発振を止める物なので無くても構わないでしょう。複合管で配線が込み入ってしまって横着で入れていません。6LU8のスクリーングリッド電圧は300V定格なのでこれに合わせてプレート電圧を決めています。

回路図

6LU8ppアンプの配線の回路図

pdfファイル形式の回路図です。定数で、例えばRR103は10KΩ、CC104は0.1uFと読んでください。