ショベルカー用コントローラ
本記事は、RCショベルカー(EXCAVATOR CAR)の掘削系の操作と、走行系の操作をひとつのプロポで楽しめる
ように自作したコントローラの紹介です。また実機の操作方法の違いもコントローラで吸収しています。
(ある程度ですが)
なお本記事のショベルカーは、ネットで買い集めた中華製のショベルカー部品で構成しており、広告では
1/14となっていました。ただし、モデルとなった実機名は不明です。
掘削系(ブーム、アーム、バケット)は油圧式です。電動も同様に使えると思いますが試してはいません。
コントローラ
左の写真がショベルカー(excavator)用に自作した基板です。S.BUS信号を7chのPWM信号に変換します。そういうものはあまた市販されていますが、本基板はショベルカーの操作用に、S.BUS信号を入れ替えて或いはミキシングしてサーボコネクタに出力します。そうすることで掘削操作と走行操作を同じスティックで行えます。
切替えをしないのなら、受信器から直接サーボを接続することができます。当初そう思ってショベルカーの掘削要素(ブーム、アーム、バケット)と旋回をプロポスティックに割当ててみました。クローラの操作は両サイドのボリュームに割当てました(Futaba製T12K送信機)。しかしこれは自由位置に止まるボリュームで、微妙なコントロールが定まらなくて運転しにくかったです。
一方Radiolink製のT16Dはセンターリターンのボリュームで運転操作はやりやすくなっていました。とはいえ慣れが必要で、私には向かないようです。
そこで、クローラを動かしているときに掘削系の動きをすることは無いであろうと割り切って、スティックにクローラの操作を割当てることにしました。そうするとサーボ信号の切替えのために本基板が必要になってきます。以降操作パターンを図解していきます。
掘削系の名称
ショベルカーにはブーム、アーム、バケットの3ch(3チャネル)必要であり、グルグル回る上部の旋回を加えて4chがプロポに要求されます。
操作パターンを検索すると実機のメーカー毎に違いがありました。本基板ではJIS標準方式(クボタ、ヤンマー同じ)を基本にして、右側スティックにバケット/ブーム、左側スティックにアーム/旋回を割当てました。その後プロポのスイッチ切替えで他社対応できるようにしました。
操作パターンを"油圧ショベル操作パターン"で検索すると長浜産業株式会社のPDFが分りやすかったのでこれを参考にしました。ただしスイッチの都合で3グループの切替えとなっています。
全体の構成
Futaba製T12Kプロポの信号を受信器R3001SBで受けます。他の組み合わせでも構いませんが本基板ではS.BUSひとつだけの信号入力があれば良いです。ただし12ch以上必要です。ショベルカー自体は8chでも可能でしょうが、ランプやホーンなど発展を考えると最初から12chあった方が良くなります。左の図ではPWM7chを12chに割り振っています。
本基板でS.BUS信号をデコードして、PWMの各コネクタに割り振りますが、スイッチchの信号で切替え、あるいはミキシングを行います。ch1~ch3コネクタはそれぞれバケット、ブーム、アーム制御サーボに接続します。これらサーボは油圧バルブの停止/正転/逆転を制御します。ch4コネクタはボディの旋回用PWM信号で、全回転式のサーボモータを使用しています。ch5コネクタは油圧ポンプのBLM(ブラシレスモーター)を制御するモータアンプに接続します。ch11は左クローラ用のBMアンプへ、ch12は右クローラ用のBMアンプへ接続します。左右独立のアンプでも2in1のデュアルアンプでも構いません。ただしデュアルアンプはストレートモードで使用しています。ミキシングは本基板内で行っています。
モータアンプには大抵BEC機能があります。どちらのアンプのBECを使ってもいいのですが、ここではデュアルアンプ側を採用しています。BLMアンプの電源ピンは抜いています。
バッテリーの電圧を電圧センサーSBS-01Vでテレメトリーしています。R3001SB受信器にS.BUS2のコネクタがありますのでここに差して送信機でモニターして過放電にならないようにしています。大きさの制約から2200mAh_2CellのLiPoを使用していますが、特に油圧ポンプを動かすとバッテリーを消費しますので電圧モニターは必須なようです。
掘削モード
右手をブーム/バケットの操作、左手をアーム/旋回の操作に割当てた設定です。この操作の割り当てはJIS標準もしくはクボタ、あるいはヤンマーと同じです。掘削の操作全てをスティックに割当てた設定になります。クローラは両サイドのボリュームを割当てています。
FutabaのT12K送信機の右側にあるSDスナップスイッチのレバーを上位置にすると、この掘削モードとなります。本基板を使わなくても普通に受信器からのPWM信号で操作できるのですが、R3001SB受信器を使うと、受信器が小型でスペースを取らなくて便利です。
JIS標準、クボタ、ヤンマーの掘削モードは写真をクリックしてください。
日立、コマツ方式の掘削モードはここをクリックしてください。
三菱方式の掘削モードはここをクリックしてください。
走行モード1
右スティックのJ2(ELV:飛行機ではエレベータ)を右側クローラの動作に割当てて、左スティックのJ3(THR:飛行機ではスロットル)を左クローラの動作に割当てた設定です。ブームとアームは動作しません。
FutabaのT12K送信機の右側にあるSDスナップスイッチのレバーを中央位置にすると、このモードとなります。
JIS標準、クボタ、ヤンマーの走行モード1は写真をクリックしてください。
日立、コマツ方式の走行モード1はここをクリックしてください。
三菱方式の走行モード1はここをクリックしてください。
走行モード2
右スティックのJ2(ELV:飛行機ではエレベータ)を両側クローラ同時動作に割当てて前進/後進を行います。右スティックのJ1(AIL:飛行機ではエルロン)をステアリングとみなして左右旋回をします。スティックを大きく倒せば左右のクローラが反対動作をします。超信地転回ですね。これらは本基板内でJ1とJ2をミキシングして実現しています。
SDスナップスイッチのレバーを下側位置にするとこの状態で動作します。スイッチひとつで前項の掘削モード/走行モード1と本走行モード2が直ちに切り替わります。クローラのデュアルアンプには走行モード1のように左右クローラの独立動作と、走行モード2のように、つまりラジコンカーの操縦のように動作する切替え機能がありますが、ハード的な設定であって手元では切替えできないようです。本基板ではSDスナップスイッチの切替えで手元で可能です。
JIS標準、クボタ、ヤンマーの走行モード2は写真をクリックしてください。
日立、コマツ方式の走行モード2はここをクリックしてください。
三菱方式の走行モード2はここをクリックしてください。
JIS標準、クボタ、ヤンマー操作パターン
FutabaのT12K送信機の右側上面にあるSGスナップスイッチのレバーを向こう側(奥側)に倒すとJIS標準、クボタ、ヤンマーの操作パターンになります。前項の3モードの操作パターンはこのJISパターンです。
PWM出力はいちいち差し替え面倒ですから、S.BUS信号の各ch信号の割り振りを変えて操作を切替えています。
この表では操作系以外にも、油圧ポンプのON/OFF(ch5,SA)、Smoke(ch6,SB)、Lamp(DG1,SF)、Horn(DG2,SH)の割当ても記しています。油圧ポンプを含めて基板の右側にある3Pコネクタは全てPWM信号です。Lamp,Horn,Smokeの信号は基板の左下のコネクタです。これらはO.C.(オープンコレクタ)としています。
日立、コマツ操作パターン
FutabaのT12K送信機の右側上面にあるSGスナップスイッチのレバーを中立にすると日立、コマツの操作パターンになります。これらの動作状態の説明図は作成していませんので、この表で読み取ってください。もしくは"油圧ショベル 操作パターン"とかで検索してみてください。
三菱操作パターン
FutabaのT12K送信機の右側上面にあるSGスナップスイッチのレバーを手前側にすると三菱の操作パターンになります。これらの動作状態の説明図は作成していませんので、この表で読み取ってください。
これら以外にも異なる操作パターンを持つ会社があるとは思いますが、本基板ではSGスイッチの3状態のみで切替えをしていますので、3パターン以外は実装していません。実装するとすればプログラムの書き換えが必要になります。
送信機の設定
Futaba_T12K送信機のリンケージメニュー/ファンクションの設定を前項操作パターンの"S.BUSの割当て"欄のとおり各chにスティックとスイッチを設定しています。また各chのリバースは全てNORMです。エンドポイントは適当に、100%で十分と思います。ただ油圧のSAスイッチは-125%,+80%としています。油圧ポンプは圧力設定ができるようですが圧力計は付けていないので工場出荷のままですし、+80%で同時に2つの油圧装置がギリ動く感じです。これからの調整です。
それとテレメトリーの設定も必要です。
ショベルカー内配置
本基板はショベルカーボディの左下に置きました。青いプラスチック片は詰め物です。右下にクローラ用のデュアルアンプを配置しています。BLMアンプは左上に配置しています。黒いプラスチック治具に貼付けています。受信器はブームに両面テープで仮付けしています。BLMアンプの下に電池が収まりそうに見えますが、若干きついので電池の収納に悩んでいます。
ショベルカー全体
電池交換を考えるとこのような配置が良さそうです。ただしこれだとエンジンカバーか何か名前は分りませんが、黒いカバーの削り加工が必要になります。
環境説明はこれ位にして、操作の動画を見ていただければ、本基板の働きが分りやすいかと思います。
ユーチューブ動画
頒布
何枚か基板の余裕がありますので、興味のある方はBASEのSHOPから購入お願いします。なくなり次第終了します。
基板サイズは70x38mm、コネクタを含めた長さは80mmです。t1.6のガラエポ基板です。
URL、用語説明など
S.BUS(エスバス)はFutaba(双葉電子工業株式会社、以降Futabaと記述)がラジコンサーボ制御のために、シリアル通信のフォーマット(UART:調歩同期式通信、または非同期通信とも言う)を利用して、11bits/chのデータを工夫して送っている通信方式です。解析してみると特にスクランブルとかしていなくて、単純に8+3,5+6,2+8+1,,のように11bitのデータを8bit区切りにデータを分散して送信していました。UART機能は大抵のCPUに備わっているので各サーボは単純化でき、また受信機から各サーボに個別配線する必要がなくなる便利な通信方式です。Futabaホームページ及び取説によればS.BUSが正式呼称のようです。本記事中あるいはソースコードでは、Sbusと省略して記述することがあります。そのときはS.BUSと読替えてください。
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