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C3g単段パラPPアンプ
夏向きに発熱の少ない真空管アンプ、と言う事でC3gを出力管として小出力アンプを組んでみました。以前MJ誌にC3oを使った単段アンプの掲載がありましたが、入手出来たのはC3gです。また入力にはサウンドパーツの入力反転用グリッドチョークを使用しました。先の記事のライターが良く採用されているものです。ゲインは無いのですが簡単に反転が出来るので単段アンプにはベストと思います。オーバオールのNFBはかけられなくなりますが、単段の小出力だから良しとしました。
C3g三結のEp-Ip曲線より、Eg=-3.75V,Ip=14mA,Ep=220Vを求めました。損失は3Wとなり、データシートの3.5Wより小さいので大丈夫でしょう。この時の負荷線を求めると8kΩになりました。プッシュプルだと16kΩになります。そんな出力トランスは入手が難しいのでC3gをパラレルにして、公称8kΩの出力トランスを使用しました。カソード抵抗は3.75V/14mA=270Ωになります。135Ωの抵抗は系列に無いのでカソード抵抗もパラレルにしています。実際にはUL接続としています。
C3gのIpを20本近く測定しましたが,4.5mAから16.5mAとバラついていました。それらの中で比較的Ipが近い物でペア組みして使用しています。パラ分でIpが極力近い物にしておけば、上下段は多少ズレていても問題無いでしょう。出力トランスのアンバランス内には十分納まっています。
CDプレーヤとアンプを直結で使用しています。100kΩ負荷でCD出力はいくらなのか、録音レベルが高く聞こえるCDで実測してみました。何曲かプレイしながらオシロで観測したところ6Vp-p近くはありました。結構大きいと思いましたが2Vrms=5.6Vp-pなのでそんな物と思います。そうするとこのプレーヤは600Ω負荷では1Vrmsになるのかも知れません。入力が100kΩのボリュームなので2Vrmsになっているのかも知れません。そうすると入力段のグリッドバイアスは最小でも-2.8V(5.6Vp-p /2)必要になります。このアンプは少し余裕があって-3.75Vで設計しました。オーバオールのNFBで入力電圧を抑えていませんので頃合いかなと思います。もちろんCDを再生してフルボリュームにしても音が歪む事はありません。
主な部品
- 電源トランス: ノグチトランスのPMC-190M。
- 出力トランス: ノグチトランスのPMF-25P。8kΩとして使用。
- 入力トランス: サウンドパーツのグリッドチョーク。
- 平滑回路コンデンサ: SUN AUDIOのフィルムコンデンサ。
回路図
真空管の回路記号をパラレルで接続すると複雑に見えるのですが、それ以外は簡単な回路です。
単段なので出力トランスの1次側結線は反対になります。実際のヒータ配線はこの回路図どおりではありません。
7C5ppアンプについて
C3gパラの前には同じシャーシで7C5ppを組んでいました。7C5は6V6相当と言われています。7C5もそんなに発熱はしなかったのですが、出力トランスとの間隔をもう1cm位広くした方が良く思えてきました。またグリッドチョークも上面に配置していたのですがC3gにあおられてそこそこ熱がありました。そういう問題の解決策を考えている間にC3g単段パラの構成になりました。
入力はグリッドチョークで変わりません。出力トランスもC3g単段と同じです。