ImpactSystems(インパクトシステム)

リフロー炉コントローラの制作

オーブン上のコントローラ

オーブントースタ(Toaster oven)を改造して、チップ部品はんだ付け用のリフロー炉を制作しました。写真は完成したコントローラです。タカチの放熱型アルミケースにSSR(Solid State Relay)を組み込んでいます。以下に試作から写真のコントローラ制作まで順に紹介していきます。

変遷

ホットプレートでの実験

貰い物のホットプレートを使ってリフローを安直にできないか実験してみました。熱電対で温度を測りながら手で温度制御をしてみました。熱電対は基板にテープ止めです。結果は、「保温」で180℃になってうまく温度を制御できませんでした。

ホットプレートをSSRで制御

次にホットプレートの温度設定を高温にしておいて、電源をSSRでON/OFF制御しました。制御CPUは定電流負荷装置用に制作したCPU基板を使用しました。写真のようにAC100Vがむき出しのバラック状態で非常に危険です。最終的には冒頭写真のようなケースに入れています。結果としては何とかなりそうです。しかしながら蓋の開け締めの面倒があります。また温度上昇中に「パチッ」と音がして心臓に良くなかったりします。これは局所的な温度差によるものと思います。場所も取るし、ボツとしました。

オーブントースタで実験中

安価なオーブントースタを買ってきました。ちなみにGoogle翻訳で確認してみたら、英語では「Toaster oven」になるそうです。「Oven toaster」は和製英語になるみたいです。 AC100VをSSRで制御しますので、オーブンは単純な構造の方が良いです。買ったものは写真で想像できるように機械タイマーとバイメタルが直列になっています。この段階ではオーブンは無改造でタイマーを最大時間にして実験しています。後にタイマーをバイパス(ショート)するように改造しました。うるさいですから。バイメタルは最大値に設定しておけば問題ありません。

ガラエポ基板に接着した熱電対

熱電対はガラエポ基板に放熱用シリコンで止めています。シリコンが固まるまでカプトンテープで固定していましたが、現在も外さずにそのまま使用しています。電源のON/OFFはPWMにして比例制御方式にしました。

リフロー中

実際にリフローしてみました。ターゲットはコントローラと同じCPU基板です。現在のコントローラは1枚だけ手付けした基板です。1枚位なら手付けできなくはない規模ですが、枚数が増えると手付けは嫌になります。

リフロー結果、半田過多

少しペーストハンダが多かったようです。ブリッジしていますし、チップ抵抗のあたりにハンダボールがあります。塗り方など今後工夫が必要みたいです。ブリッジは吸い取り線で除去しました。

ユーチューブ動画

構成

ケース内写真

バラックで動作確認していたシステムを、タカチのEX14-7-19に収めました。CPU基板はPOM材を削ってマウントを作成しました。フロントパネルにはLCDのエスカッションを作成し、顔を引き締めてみました。

ブロック接続図

システム全体は写真のような構成になっています。図をクリックするとpdfファイルにリンクします。
AC電源はSSRを経由してオーブンの電源に接続します。
オーブン内の熱電対はオペアンプで増幅してCPUのAD入力に接続しています。
CPUのポート出力をOC(オープンコレクタ)で5Vにレベル変換してSSRを駆動しています。
CPUには、ACアダプタの5Vを供給しています。
あと、CPUにはスイッチ付きのロータリーエンコーダを接続してスタート判断をしています。また、16文字x2行のLCDで状態を表示しています。

CPU回路図

これはCPU基板の回路図です。2E24シングルアンプの電子ボリュームコントローラを改版しています。

センサー回路図

熱電対アンプは小基板に手組みで作成しました。1枚のみなので。熱電対専用のアンプもあるようですが、今回はLT1636を使用しました。単純な非反転アンプで精度はそれほど求めていません。ゲインはCPUで計算しやすいように決めました。