JetRacerの始め方 タミヤTT-02版

JetRacer TT-02 by ガラエポ JetRacer

はじめに

前回はJetRacerをlatraxのシャーシで制作しました。今回はタミヤのTT-02シャーシにNVIDIA Jetson_nanoを搭載します。

TT-02は4輪駆動で、スケール1/10です。タミヤ本家のホームページや、各通販サイトを見てみると売れ筋商品のように思われます。つまりバリエーション豊富で、入門タイプ、ドリフト車、バギータイプなど選択に困ってしまいます。ただ、目的はJetRacerによるAI学習なので、安い方の、普通の入門タイプで十分です。とは言え、私はRC(ラジコン)もやっていましたので、今回はTT-02typeSと言う、入門の次のグレードになるシャーシを改造ベースに選択しました。

NVIDIAのGitHubでは、Jetson nanoを搭載するベース板を3Dプリンターで作成してあります。公開されているデータはstlファイルで、これは3Dプリンタ用です。私はそれをCNC用に設計し直し、ガラスエポキシ板で制作しました。カメラマウントはPOM材で、平板の組合せです。また、オリジナルではシャーシに穴開け加工し、スタンドオフでベース板を固定する方式でしたが、私はベース板の固定を、ボディ取り付け用のポストを利用する方式に変更しました。その結果、TT-02以外の、例えばTT-01等の他のシャーシにも適用できるものになりました。ただし、実証した訳ではありませんし、実際に運転していないので、ボディポスト方式で大丈夫かどうかは定かでありません。

以下組立て完成まで紹介していきますが、今回もハードの組立てだけで、ソフトウェアは説明していません。

JetRacerに関してはNVIDIAのGitHubページを参照しています。

タミヤのHPでは、【RC】アイコンのプルダウンメニューから【RCモデルTOP】をクリックして各シャーシを見つけられます。

シャーシの選択

NVIDIAのGitHubでは、搭載シャーシとしてlatraxとタミヤのTT-02シャーシがあります。今回はTT-02シリーズを紹介しています。Jetson nano本体やカメラマウント等が搭載できれば、他のシリーズでも構わないはずですが、GitHubでは2機種のみです。

タミヤのTT-02においてGitHubでは、TT-02のシャーシに正確に穴開けをするために、型紙となる治具(ドリルガイド)が必要です。シャーシのスペースにドリルで穴を開け、そこにM3のスタンドオフでベース板を固定する、構造になっています。と言うことで、シャーシはタミヤTT-02のオンロードタイプ(あるいはツーリングRCカー)しか選択できません。

RCカーの組立ては慣れていないと難しいので、ハンズオンなんかだと組立て済みのキットを使用しているようです。タミヤのホームページより、該当するTT-02を調べてみました。

  1. セミアッセンブルシリーズ、ITEM57986、1/10RCファーストトライRCキット(オンロードカータイプTT-02シャーシ)、9,460円
  2. セミアッセンブルシリーズ、ITEM57984、1/10RC SA 4WDレーシングカー 完成シャーシセット(TT-02シャーシ プロポ付)、17,480円

この2点が候補です。組立て済みと言っても半完成品で、ダンパーやタイヤの取り付け、電気関係の組み込みは必要です。(ラジコンをしたい人向けなので)。また、ボディは別売ですが、ボティはJetRacerに必須のものではありません。と言うかJetRacerではボディの前に自動走行が先です。

2つのセットを比較すると送信機(プロポ)付きがセット価格で安そうですが、この送信機は2チャネル品で、JetRacerには不向きです。JetRacerには3チャネル品が必要です。AIでは人間がCarを操縦して、学習させる必要があります。この時AI運転との切り替えは送信機の3チャネル目で行います。一般的に、ラジコンカーはステアリング用のチャネルと、スロットルに相当するモータ回転速度のコントロールチャネル、の2チャネル最低必要になります。JetRacerではこれに加えて3チャネル目で操縦者の切り替えを行っています。本来のRCカーでの3チャネルは、ヘッドライト等のギミックの操作に使うのかも知れません。JetRacerでは操縦者の切り替えに使用します。
よって、セミアセンブルならば1項目になります。

ゼロから組立てるのならば、ボディ付きの豊富なバリエーションからキットを選択できます。または私のように、GitHubのstlファイルに頼らなければ、TT-01とか他のシャーシも選択できます。

プロポなど

プロポ(送受信機合わせたシステムの総称)は、どのメーカでも構わないですが、ついでにタミヤで選ぶと、以下のセット品になります。

  1. タミヤRCシステム、ITEM 45046、エクスペックGT-I 2.4G(電動RCカー用セット)、18,480円、(送信機(TTU-07,3チャネル),受信機(TRU-07),サーボ(TP-S3003),ESC(TEU-302BK)のセット)

セットで選ぶとこの1種類みたいです。サーボはサーボモータの略で、指令値を回転運動に変換して、ステアリングを制御します。ESCはElectric Speed Controllerの略だと言われています。受信機から出るサーボ信号をモータの回転指示値に変換します。また、走行用バッテリーから受信機、あるいはサーボの電源電圧も作っています。これはBEC機能と言っています。
ちなみにプロポと言うのは、プロポーショナル(比例)の略で、送信機のコントロール機構に比例して操縦系を駆動させるようになっているのでプロポです。
このプロポセットは(ESCは)DCモータ用です。JetRacerにはこれで十分と思われますが、三相ブラシレスモータで構成すると以下のセットになります。

  1. ITEM45045、エクスペックGT-I 2.4G(送信機、受信機、サーボ)、14,080円
  2. タミヤブラシレスモータ01、ITEM45044、18T-ESCセット、17,600円

ブラシレスモータのセットでは1、2項同時に購入することになります。合計31,680円。このセットのブラシレスモータは18Tのようです。18Tは18ターンの意味で、各相が18回巻になっています。私は手持ちに16Tの物があったのでこれを使いました。ターン数によってトルク重視とか回転数重視とかの違いになります。
JetRacerはキット付属のDCモータで十分です。シビアなカーレースが目的ではないので。

バッテリー

ラジコン関連では、走行用バッテリーと、その充電器が必要です。バッテリーは同じくタミヤから選ぶと

  1. ITEM 55095、タミヤ7.2Vレーシングパック1600SP、3,520円
  2. ITEM 55102、タミヤ LF2200-6.6V レーシングパック、10,450円

の2つがあります。前者はNi-Cdで、後者はNi-MH(Life)です。どちらでも良いですが、メモリー効果のないLF2200がお薦めです。3倍程の価格差がありますが、ラジコンと無縁だった電子屋あるいはソフト屋さんがこれら電池を扱うと、追い充電することが多いと思います。その時Ni-Cdであればメモリー効果ですぐダメになって買い増しすることになると思います。ですので、最初は高くてもLi系の電池をお薦めします。

あと急速充電できる充電器が必要です。これは飛行機やヘリコプターの空ものから選択すると良いでしょう。これらは機能が 豊富で、Li-Poバッテリーも充電できる物が大半でお買い得と思います。
私の持っている物は古いので、チャンプ(RCアドバイザー チャンプ) で流通を調べてみました。

  1. G-ForCE G0293 GMA465 AC Charger充電器 税込価格7,590円

と言うのが良さそうです。Li系が急速充電でき、バランス充電にタミヤ対応コネクタが付属しているので、LF2200-6.6Vパックも充電できます。ちなみに、タミヤのLiFeバッテリーのバランスコネクターはJST(日本圧着端子)製には該当がありませんでした。中華製みたいです。多くの空もののLiPoバッテリーが、XHタイプを使用していて電子屋には馴染みがあるのですが、Carは違うようです。

ボードの作成

シャーシ、プロポ、バッテリーのラジコン要素を説明しました。これらは市販品で、ネット通販できるものです。一方、JetRacerのベースボード単体を、販売しているところは見つかりませんでした。GitHubからstlファイルを落として来て、自分で3Dプリントするか、外注するしか無さそうです。JetRacerを始めるにあたって、Jetson nanoを固定する方法がネックになりそうです。

そこで私は、シャーシに穴を開けるのではなく、ベース板をボディのポストに固定するように設計変更しました。また、ベース板はガラスエポキシ板にしました。
stlファイルから図面を起こし、更に現物シャーシで寸法確認し、あるいは設計変更して2D図面を作成しました。材料はガラスエポキシ板(t1.6)とし、CNCで加工しました。pdfファイルはここをクリックしてください。

ガラスエポキシ板あるいはエポキシガラス板は、ガラエポと略して言うことが多いです。またはFRPとも言います。今後の記述でどれかを使いますが同じ意味です。今回使ったのは、銅箔を貼っていない基板用のFRPです。FR-4とも言いますが、これは商品名かも知れません。

ベースボードとカメラマウント

ガラスエポキシ板のシャーシへの固定は、ゴムブッシュを介してボディのポストへ固定しています。上下をキット付属のクリップで止めました。少し余裕がありますが、ゴムの摩擦があるのでガタガタ動く事は無さそうです。

材質がガラエポなので中央を押さえるとしなります。Jetson nanoの基板にストレスがかかりますから、中央に8mm角で長さ約100mmのアルミ棒を骨材として固定しました。下の写真であてがいにしているアルミがその角材です。

Jetson nanoはM2.6のスタンドオフで固定します。また、I2Cインターフェイスとマルチプレクサ基板はM2のスタンドオフを使用しました。

買い物リスト

ラジコン関係のお薦めは前項までに書きましたので、以下は私の構成をリストアップしました。

ラジコン

  • シャーシ: TAMIYA TT-02 TYPE-S 組立てキット、13,100円(Joshin web)
  • オプション: OP.1558 TT-02 アルミモーターマウント、1,050円(Joshin web)
  • オプション: OP.1501 TT-02 アルミプロペラシャフト、415円(Joshin web)
  • 3ch送信機: EXPEC TTU-07、タミヤ、(所有品より)
  • 受信機: TRU-07、タミヤ、(所有品より)
  • ESC: TBLE-01S、タミヤ、(所有品より)
  • ブラシレスモーター: TBLM-01S 16T、タミヤ、(所有品より)
  • サーボモータ: S9202、FUTABA、(所有品より)
  • バッテリー: LF2200-6.6V、タミヤ、 (所有品より)
  • 急速充電器: EOS0606i AC/DC、HYPERION、 (所有品より)
  • その他 バナナプラグ、ジャック、DEANSコネクタ、熱収縮チューブ等

上もの

  • GPU: NVIDIA Jetson Nano 開発者キット B01、12,540円(SWITCHSCIENCE)
  • カメラ: MIPIカメラモジュール(FOV 145°)、5,412円 (SWITCHSCIENCE)
  • I/F: PCA9685搭載16ch PWMサーボモータドライバー、2,134円 (SWITCHSCIENCE)
  • Pololu 4ch RC サーボマルチプレクサ(パーツキット)、1,425円(Amazon)
  • WiFi: Intel Dual Band Wireless-AC8265 5GHz/2.4Ghz Wi-Fi+Bluetooth M.2 無線LANカード 8265NGW、2,850円(Amazon)
  • ANT: 5dB 5GHz/2.4GHz 対応ロッドアンテナ、MHF4アンテナケーブルセット(M.2無線LANカード向け)、1,980円(Amazon)
  • モバイルバッテリー: ANKER Astro E1 6700mAh、3,820円(ヨドバシカメラ)
  • マイクロSDカード: 64GB Lexar、3,490円(ヨドバシカメラ)
  • ベース板: ガラスエポキシ板、200x300mm,t1.6をCNC加工、1,320円(PCBマテリアルズ)
  • カメラマウント: POM5mm厚をCNC加工
  • ベース補強材: 8mm角のアルミ材
  • ラジコンハーネス: 3芯タイプにOK模型のコネクタを圧着作成(RCチャンプ)
  • ラジコンハーネス: QIコネクタ5pin、2列x3pin(共立電子産業)
  • M2.6 メス-メス スタッド x4、M2.6L8 鍋小ねじ x8
  • M2 オス-メス スタッド x6、M2L8鍋小ねじ x6、ナットx6
  • M2L8 鍋小ねじ x4、(カメラ固定用)
  • M3L8 Cセムスねじ x6
  • 内径Φ6のゴムブッシュ x4
  • バッテリー固定用のベルクロテープ、およびスポンジ(片面粘着)
  • インシュロック80mm
  • USB-A DCプラグΦ2.1 変換ケーブル

組立て方

Youtubeに動画をUPしましたので参照してください。

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今後

ベース板の幅が120mmではFRPの取りが悪いので、100mm幅に変更しようと思っています。またカメラマウントも現状では工数が多いので変更を考えています。

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